遠距離恋愛
“逢いたくても、逢えない”
それにはきっと、さまざまな理由があるでしょう。
片想いだから…
逢うことが許されないから…
遠く離れて暮らしているから…
昨年の大ヒット曲、青山テルマfeat.SoulJa「そばにいるね」と、
EXILE「We Will〜あの場所で〜」の2曲は、
偶然にも遠距離恋愛を歌っています。
もっと若い頃のワタシは、
「逢いたければ、逢えばいいじゃない」と無邪気に思っていました。
少し無理をすれば、新幹線や飛行機に乗れる。
電話をすれば、いつでも話ができる。
それでも淋しいときには、写真やビデオだってある。
今なら、メールでチャットっていう方法だって使える。
でもおとなになって、ヒトにはもう少し複雑な事情があることがわかってきました。
ヒトの心の中には乗り越えられないものや、乗り越えてはいけないものがあり、
それを抱えながら生きているってこと。
こんなに交通・通信事情が発達しているのにもかかわらず、
お互いを気づかい“逢いたくても、逢えない”と思うヒトたちがいるっていうこと。
ワタシは愛車の中で、オンガクを聴くのが大好きです。
誰にも邪魔されない密室のような空間と、
ひょっとしたら自宅のプレーヤーより性能がいいかもしれない最新システムのカーステレオ。
iPodにヘッドフォンもいいけれど、
通勤の電車で一緒になって歌うわけにもいかないでしょう。
車の中は何でもアリですから。
この2曲は車で聴いていて、思わずホロリとさせられてしまいました。
こんな繊細な心のひだに隠された思いを、サラリと何気に、
そして今風に表現できる作詞・作曲者に、拍手を送りたくなりました。
もちろん、歌うアーティストにも。
♪〜〜言いたい事わかるでしょ? あなたのこと待っているよ♪
♪あなたからの電話待ち続けていた 携帯にぎりしめながら眠りについた♪
「そばにいるね」
♪どんなに離れても その涙を流させぬ様に〜〜♪
♪悲しみ降り続く そんな時も笑っていよう
いい事ばかりじゃない それより信じていよう♪
「We Will〜あの場所で〜」
「そばにいるね」が女性の気持ちを歌ったものなら、
「We Will〜あの場所で〜」は男性側からのもの。
「そばにいるね」は2008年のダウンロード1位の曲で、ギネスブックにも載ったとか。
「We Will〜あの場所で〜」は2008年に発売された“EXILE BALLAD BEST”にも収録されていて、
100万枚を超えるセールスを記録しているとのこと。
この2曲を聴いて“わかるな〜、この気持ち”
なんて共感している人たちが今たくさんいることが、
なんだかワタシの心に引っかかったのです。
情報化時代になり、ヒトの心に触れる機会が減ってきたなんて言うけれど、
確かにそんな傾向はあるけれど、
しっかり何かを感じ、それを素直に表現している人たちがいて、
それを受け止め、共感できる人たちがたくさんいるっていうことが。
そして、デジタル時代といわれても、アナログ時代とヒトの想いは変わらないってことが。
“逢いたくても、逢えない”恋は、
きっと考える時間をたくさん与えてくれ、ヒトを強くしていくのでしょう。
そんな恋をしているヒトたち、
そして、そんな気持ちを忘れかけていたヒトたちへ。
青山テルマ feat. Soulja 「そばにいるね」PV
EXILE 「We Will〜あの場所で〜」PV